生成AIは”一人で小さく”始めよう
いきなり全社導入を考えない
先日、地域の経営者グループに向けて生成AIの勉強会をやらせていただきました。
皆さん非常に興味を示しておられましたが、始め方のところで悩んでいる方が多いようでした。
「若くてITやAIに詳しい人材がいない」
「どこの部署から始めるべきかわからない」
それらの悩みに対して、私はいずれも「誤解」であると回答しました。皆さん難しく、大きく、考えすぎなのだと思います。
現時点で生成AIを業務に取り入れていない中小企業は、いきなり全社で始めるべきではありません。ChatGPTが登場して2年が経過しています。生成AIに詳しい、または興味がある人材がいたら、すでに社内でもちらほらAI活用が見られているはずです。
そうではないから現状になっているわけなので、今、いきなり全社で生成AIを導入するぞ!と社長が号令をかけても従業員の皆さんも困ってしまうでしょう。
まずは、社長さんが自分ひとりで触ってみればいいのです。
ChatGPTもClaudeもGeminiも、あるいは他のもう少しマニアックな生成AIも、大体無料版があります。AIとの会話量に応じて消費される「トークン」といういわばポイントのようなものがあり、それが一定量無料で使える形です。
この範囲であればお金はかからずに使えますし、もしより高度なモデルを使いたい場合でも、月額数千円からせいぜい3万円くらいで使えます。
世界最先端の生成AIを、手元のパソコンやスマホで自由に試せるなら3万円くらい安いものでしょう。
そうやって社長自身がある程度試して、生成AIの可能性を実感した上で、従業員にも展開していけば説得力を持った推進ができるはずです。
いきなり全社でAIチャットボットを入れようとか、営業部のデータをAIに分析させて何かやろうとかスケールを広げずに、手元でとにかくすぐ触り始めてみる。
遠回りに見えて、実はそれが一番の近道だと思っています。