伝説の経営者・永守重信さんが創業

先日、ニデック（旧 日本電産）の不適切会計疑惑に関するニュースが報じられました。

ニデックといえば、伝説的とも言える経営者・永守重信さんが創業された会社。元日以外はすべて仕事という強烈なエピソードに代表される永守さんを尊敬する経営者の方も多いと思います。

そんなニデックの不適切会計疑惑というニュースは衝撃的でした。

企業が利益を追うのは当たり前

このたびの報道では、ニデックは利益達成に対して非常に厳しい目標が掲げられており、そのプレッシャーの中で、現場やマネジメントにおいて適切でない数字の操作があったのでは、という趣旨の内容が報じられています。

これは、組織を指揮するすべての経営者・幹部にとって、他人事でない問題だと思います。

企業は永続性が前提ですから、利益の継続確保を追求するのは当然です。

ベンチャーキャピタル投資による資金調達で赤字を賄うという経営手法もありはしますが、ほとんどの企業にとっては、借り入れと、そして事業利益によるキャッシュ獲得で企業運営は成り立っているものです。

ですから利益を追い求めることは、企業にとって何らおかしいことではない。むしろど真ん中、王道の活動です。

目標達成に向け現場管理することもまた当然

では、ニデックにおいては何が問題だったのか。

おそらくですが、目標達成に向けたマネジメントに問題があったのだと推測します。

目標必達を掲げ、日々進捗を管理し、未達可能性があれば檄を飛ばし対策を講じて、改善を繰り返し、数字達成を実現する。

営業におけるマネジメントとは、字面にすると大体こういうことです。

これ自体は、先ほどの利益追求と同様、どの企業でも行なっているはず。こうしたマネジメントをせずに現場が自発的に動いて売上と利益を作ってくれたら最高ですが、なかなかそんな組織はありませんから。

つまり、目標を掲げ、進捗を管理し、そのギャップを埋めるための活動を現場に求める。この取り組み自体は、マネジメントとして至極当然ということです。

過度なプレッシャーと「詰め」は必ず歪みを生む

利益追求も当然、現場マネジメントも当然。ということであれば、あとはその手法に問題があったということになる。

つまり、マネジメントのやり方ですね。

各報道を眺めてみると、「現場への強いプレッシャー」「上から詰められる文化」「深夜の会議」など、見ているだけで少し胸が苦しくなる表現が目につきます。

基本的に、行き過ぎた目標必達プレッシャーは、「どうすれば達成できるだろうか？」という思考のクリエイティブネスを奪い、「どうするんだよ、いつ達成するんだよ」といった単なる詰めに繋がりがちです。

こんなことを日次や週次で繰り返されたら、当人達は疲弊し、いかに詰めを回避するかだけを考えるようになるはずです。これは致し方ないことであり、彼らを責めることはできません。

私自身も過去に経験をしてきたのでよく分かりますが、目標必達への苛烈なプレッシャーと現場への詰めは、マネジメントとしては劇薬です。

1ヶ月、2ヶ月なら効果もあるかもしれませんが、長く用いるものではない。続けていれば、現場は必ず消耗し、どこかで折れてしまう。

企業は永続が大前提。

その企業活動のエンジンとしての利益、そして利益を生む源泉である売上。この売上を作るのは営業部隊です。

であれば、営業部隊の活動もまた、永続的でなければいけません。

「それなりに高い目標を掲げ、適切なプレッシャーのもと、いかに継続的に営業活動を行なっていくか」

このバランスを考えて実行し、改善を繰り返していくのがマネジメントの責任であると思います。

まずはトップである経営者が、永続性の思考を持ち、そのために最適なバランスはどこにあるかを追求し続ける。

それが大事なのではないか、と思っています。

本日は以上になります。

株式会社FooLaiBo
三浦 隼

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