他責思考の中間リーダー

仕事柄、いろいろな企業組織に入って、内部を見てきました。

どの会社も例外なく、経営者の皆さんは日々会社の行く末を考えて頭に汗をかき、また現場の皆さんは毎日の顧客業務を限られた時間の中でこなしていました。

一方で、幹部層やマネージャーといった中間リーダー層においては、各社、かなりのブレというか、違いがありました。

端的に言えば、自責型のリーダーと、他責思考全開のリーダーと、くっきり分かれていた印象です。

後者の「他責型」中間リーダーの口癖は共通していました。

• 「現場は言っても動かない」
• 「現場は自分たちで考えることができない」
• 「現場は属人的で業務の見える化ができていない」
• 「こんな状態だから困ってる。外部のコンサルさんに改善を頼みたい」

本当に皆さん決まって、こういうことを口にします。

必要なのは評論家ではなく、実務家

そして実際に私たち外部コンサルタントによる改善プロジェクトが始まってからも、現場を批判するような発言を、私たちコンサルタントに送ってきます。

こちらとしては、提言に一定の敬意は示します。そして、スルーします。

悲しいかな、彼らは実務家ではなく、評論家なのです。

そしてビジネスの実行・改革の現場に、評論家の居場所はないんです。

中間リーダーの責務とは

現場の皆さんは、確かに、課題に溢れた運用を回し続けていることがある。日々の煩雑な業務に追われる中で、全体を俯瞰することができず、極めて個別最適な視点で目の前の業務だけに取り組んでしまうケースがある。

しかし少なくとも、現場を回す、顧客業務を切り盛りするという責務は全うしている。

一方で、評論家となった中間リーダーはどうか。

本来彼らリーダー層は、現場全体を眺め渡し、課題を整理し、1つずつ着実に改善して仕組み化していくミッションを背負っているはずです。

リーダーが現場メンバーと同じ仕事をしていたら、それはリーダーではありません。リーダーは一段高い目線で広い範囲を俯瞰し、個別最適に向かおうとする現場の力学に抗って全体最適へと軌道修正する役割を負っているわけです。

にもかかわらず、他責思考に陥って、あろうことか部下である現場を非難し、かといって改善策も打ち出さず外部コンサルに改革を任せる。

責任の放棄、というほかありません。

中間リーダーよ、評論家になるなかれ

もちろん、必要に応じて外部のリソースを活用することは悪いことではない。

ただ、本来それを当然のこととして考えていいのは、経営の責任を負う経営者だけでしょう。

中間リーダーはまず自分に与えられたミッションを理解し、全うしようと全力を尽くし、その上でできなかった点を整理し、そして外部リソースの活用を経営者に進言する。この順序であるべきだと思います。

自らが役割を全うしないまま、見かねた経営者が外部コンサルタントへの依頼を決断。それに対して責任を感じることなく、改善プロジェクトが始動したあともなお現場への批判を続ける。

率直に、アホか！と思ってしまいます。

しかし現実には、このような他責思考の中間リーダーが、本当に多い。

あなたがつまらないプライドを捨て、現場に頭を下げて業務実態を聞いて回り、小さな改善の一手に早々に着手していたなら、わざわざ外部リソースに費用をかけるような事態にはならなかったかもしれない。

中間リーダーよ、しっかりしろ、と言いたい。

ビジネス実務の世界で、口だけを動かす評論家になってはいけません。最初は稚拙でもいいから、とにかく手を動かし、何らかのアウトプットを創れる実行者であるべきです。

経営者の皆さんは、自社の幹部・中間リーダーたちが「口だけ評論家」に陥っていないか、その傾向がないか、折に触れて注意を払っておくことが大切です。

本日は以上になります。

株式会社FooLaiBo
三浦 隼

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