『CHAT-Aフレーム』の全体像
「把握」ステップで顧客課題を理解する
今日もお読みいただきありがとうございます。
さて、昨日のブログではBtoB商談を適切に進めるための『CHAT-Aフレーム』(下記)を紹介させていただきました。
- ①準備(Check)
- ②導入(Hello)
- ③把握(Ask)
- ④対話(Talk)
- ⑤前進(Act)
昨日は、このうち最初の2つ、「①準備(Check)」と「②導入(Hello)」について述べさせていただいたので、本日はその続きを書きたいと思います。
まず、「③把握(Ask)」。
これは、Askという英単語からもイメージできるように、質問を通じてお客さまの現状やお困りごとを理解していくフェーズです。いわゆるヒアリングのパートですね。
思いつきの質問を繰り返すだけでは詰問のようになってしまうので、事前に「①準備」段階で用意した仮説に基づいて質問を重ねていくのがポイントです。
ここは経験値が増すほど、自然体で、かつ深い問いかけができるようになります。ヒアリングのシーンで大体のお客さまは「この人はよく分かってるな」「ぜんぜんうちの業界のこと理解してないな」と見極めてしまいますので、商談において非常に重要なパートです。
そして「④対話(Talk)」。文字どおりで、お客さまとの双方向な会話を展開するパートです。ヒアリングを通して理解したお客さまの現状や、抱えている課題、叶えたいニーズなどを踏まえ、対話を行なっていきます。
実はCHAT-Aフレームにおいて、とくに特徴的なのがこの対話フェーズです。
一般的には、ヒアリングの後には「提案」が来ます。聞き出した課題やニーズを踏まえて、こちらが提供できるソリューション(解決策)をプレゼンするわけですね。商談の流れを見ても、これは自然な展開といえます。
ただ、私の経験上、多くのお客さまは「課題に対する”あなたの会社の製品ソリューション”」を聞きたいわけではありません。
お客さまが聞きたいのは「自分たちの課題に対する”解決可能性のある選択肢”」であり、その中から、とくに納得度の高いものを選びたい、という網羅性と納得感、だと私は考えます。
そのため、ヒアリングの後にすぐ「うちの製品(サービス)なら御社の課題を解決できますよ」というのは、お客さまからすれば押し売りにすぎません。
そのような「提案」ではなく、「対話」を心がけ、自社の製品サービスに限らない「解決策の選択肢」を一緒に話し合う場として捉える。
このスタンスが決定的に重要になります。その中で、例えば機能や、アフターサービスや、あるいは価格など、お客さまが重視する判断基準に照らしていくと「うちの製品(サービス)がフィットしそうですね」という展開になる。これが理想ですが、この辺りの話はまた別の機会に書かせていただければと思います。
そして最後に「⑤前進(Act)」。
このフェーズはいわゆるクロージングです。ただ、クロージングといっても契約を交わすといった意味合いではなく、「次に向けた確認と合意の場」といった方が正確です。
BtoBの商談においては、初回面談でいきなり「契約します!」とは中々ならないものです。とくに大きな企業相手になればなるほど、導入に向けての意思決定プロセスは複雑・長期になりますから、1度2度の商談で契約に至ることは稀でしょう。
だからこその「前進」です。今回の商談の内容を振り返って、次はいつまでに、誰が、何をやるのかを明確にし、お客さまと合意する。次の商談を設定するのか、いただいた質問を持ち帰り調べて回答するのか、資料を用意してメール送付するのか。何らかの「次のアクション」を合意することが重要です。これがなければ、その商談はずっと「お客さま検討中」というステータスのまま停滞することになりますから。
今日も長くなってしまいましたが、これがCHAT-Aフレームの全体像です。
- ①準備(Check)
- ②導入(Hello)
- ③把握(Ask)
- ④対話(Talk)
- ⑤前進(Act)
この記事をお読みいただいたお客さまは、ぜひ本日からさっそく意識していただけたら幸いです。
本日は以上になります。
株式会社FooLaiBo
三浦 隼