叩き台は誰でも作れる時代になった
叩き台は生成AI、実行はヒト
私は「叩き台を作る人がいちばんエライ」という持論を持っています。
例えば、新規事業の企画案を考えるとか、営業の新規施策を考えるとか、全社的なコスト削減のアイデアを立案するとか。
お題はなんでもいいのですが、実際に頭と手を動かして、ラフでいいので具体的に内容を作ってくる。これが叩き台ですね。
この叩き台があると、「確かにこの点はそうだな」とか「いやこの視点が抜けてるだろ」とか、ともかくディスカッションが進みます。そうやって叩き台をみんなで叩いているうちに、どんどん物事が具体化して磨かれていくんですね。
逆に叩き台がなければ、議論は具体性のないフワフワしたものに終始してしまい、いっこうに前に進みません。
最初のクオリティがどんなに低くても、叩き台があることで議論が進んでモノゴトが動くのであればそれは立派な仕事だと思います。
そんな理由から、「叩き台を作る人がいちばんエライ」と考えています。
いや、、、正確には「考えていました」。
というのも、生成AIが登場してから、叩き台を作ることのハードルはとんでもなく下がったためです。
例えば、営業チームの成績をテコ入れするための改善策を考えなきゃいけないとします。従来であれば、チームの現状を自分で整理して、データを分析して、改善策を洗い出して、そこから効果インパクトと実施費用と実行難易度を勘案して優先度をつけて、、、
といった作業を自分でやる必要がありました。これは、ラフにやるとしても結構な大変さです。
それが今は、生成AIを活用すれば圧倒的にカンタンに済みます。
機密情報には注意しつつ、営業チームの現状(定量・定性)をChatGPTやClaudeに打ち込んで、現状の評価をしてもらう。そこから、どんなデータをどう分析すればいいかの方法論を教えてもらうのもいいですし、あるいは改善施策のアイデアを出してもらう。
そうやって壁打ちをしていき、最終的な内容を網羅的にまとめあげてもらう。これも生成AIであれば瞬時に対応してくれます。
こうやってスピーディにまとめた叩き台を会議に持参してディスカッションをすれば、何の具体草案もない状態でふわふわした議論をするよりも遥かに実のある会議ができます。
詰めの甘さや前提の誤りが少しくらいあってもいいのです。それを恐れて完璧な叩き台を作ろうとしたらどれだけ時間がかかるかわかりません。それよりも、ラフでいいので高速で叩き台を作り、議論を進めて次のアクションを決め、実行に移せばいい。
この「実行」の段階は、生成AIにはまだ難しいところです。仮に「1,000件のハウスリストに電話営業する」という施策をする場合、生成AIはお客さんへの架電はしてくれません。(実際はテレアポ生成AIという主旨のツールも登場してきてはいるのですが、実用レベルに足るかはまだ未知数です)
とにかく、今のところは、実行は人間の仕事といえます。(「実行する人がいちばんエライ」ですね)
「叩き台は生成AI、実行は人間」
今後は、この役割分担が当たり前になっていくのではないかと思います。
今日は以上になります。
株式会社FooLaiBo
三浦 隼