最も大切なのは生き残ること
廃墟が点在する温泉街で感じたのは
この連休で、栃木県の鬼怒川温泉に滞在してきました。
この温泉郷に来るのは3回目で、最初は30数年前、2度目は10数年前、それから久しぶりの今回です。
過去2回は全く感じなかったのですが、今回、落ちついて街並みを眺めてみると、そこかしこに”廃墟感”が垣間見えました。
実際に、運営会社が廃業してそのまま放置されている建物もありましたし、営業はしているものの、建物の裏側や物陰をみると大量の廃棄物が捨てられているホテルもそこかしこにありました。
時々X(Twitter)で、「廃墟の温泉街 鬼怒川」というようなテーマで写真をアップしているカメラマンの人たちを見かけたことがあるのですが、それも納得という感じの街並み。
個人的にはこういう雰囲気は嫌いではないのと、事業をしていて栄枯盛衰、盛者必衰を日々肌で感じているので、なにか色々と、考えさせられるものがありました。
特に強く感じたのは「事業は生き残ることが何より重要」であること。
かつて栄華を極めたであろう国内屈指の温泉街も、バブル崩壊を引き金に、事業者が次々と廃業・撤退に見舞われ、言葉を選ばずにいえば”廃れて”いってしまった。
今もその名残は街のそこかしこにあり、私が訪れた日も、多少観光客はいたものの、大賑わいという雰囲気にはほど遠い。
街全体で見れば、おそらく現在もバブル後の痛手から大きく回復はしていないはずです。
しかしそんな逆境の中でも、廃業も撤退もせずに事業を続け、お客さんに愛され、長年続いているホテル群が確かに存在している。
ホテル以外にも、鬼怒川のライン下りやロープウェイ、あるいは日光江戸村や東部ワールドスクエアのようなレジャーアクティビティも、震災やコロナ禍の苦境にも屈せず脈々と運営を続けていました。
生き残った各社にも撤退廃業した各社にも、それぞれ固有の事情があったはずで、それを全て推し量ることはできません。
ただはっきり言えるのは、生き残った会社は、黒字だろうが赤字だろうが、現金が手元にあった。これだけは間違いありません。現金があったから生き残れた。
銀行からの融資かもしれないし、不動産などの固定資産の売却かもしれないし、本業の事業からの売上かもしれない。
とにかく、支払い以上の現金が手元にあったから倒産を免れたわけです。
言い換えるとそれは、身の丈を超えた投資に手を出さなかったということでもあります。
事業を成長させていくには、常にヒト・モノ・カネに投資をしていく必要がある。これは経営の常識ですが、程度のコントロールは不可欠。
どんなに果敢な事業投資に踏み切る際でも、「いざという時」のために一定の現金は確保しておかなければなりません。
リスクとリターン、攻めと守り。資金をいくら投じるかと、どれだけ口座に残しておくか。
このバランスを、経営者は常に冷静に、熱に浮かされることなく取り続ける必要がある。
そんなことを、初秋の風吹く、少し寂れた風情の温泉街で感じさせられたのでした。
リスクをとって大きな勝負に出なければいけない時もある。それでも、しっかり守りも固め、その勝負が博打にならないよう注意する。
経営者たるもの、冷徹にリスクをコントロールして、生き残っていきましょう。
本日は以上になります。
株式会社FooLaiBo
三浦 隼
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