ランサムウェアによる強制PoC

9月にランサムウェア被害を発表したアサヒグループ。

当初はアルコールなど飲料の出荷が停止し、大きく混乱している様子が報道からも見てとれました。

街中の自動販売機にも張り紙が貼られ、アサヒは今後大丈夫だろうか？と心配になった人も少なくないと思います。

ただ、先週発表された内容によると、「10月は手作業で対応することで、受注・出荷を一部再開。10月最終週の売上は前年比8割程度で、回復傾向」とのこと。

どうやらアサヒではもともとBCP（事業継続計画）を立てており、今回はそれをベースに、手書きやFAX、Excelなどで注文処理に対応したようです。

これまでは高度なシステムで対応していたものが、ランサムウェアによるサイバー攻撃でシステムが停止。その対策としてやむなくアナログな方法に戻したのでしょう。

しかし蓋を開けてみれば、前年比で8〜9割の売上を維持。11月以降はさらに回復するかもしれません。

となれば、多額のシステム構築・保守費用をかけなくても、実は従来のアナログなやり方でも運用が可能だった、とも言えなくもない。

サイバー攻撃でシステムが停止したことで、いわば強制的にPoC（業務改善テスト）をやらされることになったわけですが、その結果「意外と旧来の方法でも回るじゃん」ということが証明された。

ここまで全社的な一斉PoCはこのような不測の事態がなければ実施はまずできませんが、小さく範囲を絞ったPoCであれば、リーダーがやると決めれば比較的簡単に実施できます。

「もし今のやり方をガラッと変えたら、どうなるか？」

そんな問いをもって、常に現状に満足せず、小さなPoCを繰り返して業務オペレーションの最適化を追求していきたいですね。

本日は以上になります。

株式会社FooLaiBo
三浦 隼

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