今日からできる生成AI活用方法:②スライド資料作成
生成AIは資料作成も得意
AIの具体的な使い方として、昨日は議事録作成についてご紹介しました。
今日は第2弾ということで、「生成AIでの資料作成」をテーマに述べていきます。
参考にしていただけたら嬉しいです。
資料作成は「構成作り」と「スライド作成」に分けて考える
まず前提として、Google Slideやパワーポイントなどで資料を作る際、「いきなりスライドを作らない」ことが大切です。
誰に、何を、どの順番で伝えるのか。この「構成案」を考えずにいきなりパワーポイントを開いても作業は進みません。意外とこのミスを犯してしまっているケースを見かけます。
ということで、まずは構成案を考えていくのですが、ここで生成AIが活躍してくれます。
まずは「構成案」を生成AIで作成する
凝ったプロンプトは必要なく、例えば下記のような指示を打ち込めば、適切なスライド構成案を出してくれます。(このプロンプト自体もGeminiに作ってもらいました)
■スライド構成案のプロンプト
# 指示
以下の情報をもとに、商談相手に提案するためのプレゼンテーション資料の構成案を、スライドタイトルと各スライドで説明すべき内容を箇条書きで作成してください。
# プレゼンテーションの概要
* **提案する製品・サービス名:**
* (例:クラウド型経費精算システム「ラクマネ」)
* **プレゼンの目的・ゴール:**
* (例:製品の導入を具体的に検討してもらうための次回の打ち合わせ設定)
* **想定される聞き手:**
* (例:企業の経理部長)
* **聞き手が抱えているであろう課題:**
* (例:紙の領収書が多く、申請・承認作業に時間がかかっている。リモートワークに対応できていない。)
上記はサンプルなので製品名などは架空の内容になっていますが、よければ自社の製品・サービス名などを入れて、GeminiやChatGPTに打ち込んでみてください。
すると、スライドのタイトルと、ページごとの見出し、内容がそれぞれ一瞬で出てくるはずです。
お客さんの関心の推移に合わせたページ構成になっていて、まず課題の提示、課題を放置するリスク、解決の提案、サービス導入メリット、導入事例、サポート体制といった具合で、見事な構成案を出してくれると思います。
AIのスライド作成は「6割」程度と心得よう
構成案ができたら、ここでようやくスライド作成ツールを開きます。Google Slide、パワーポイント、あるいはCanvaなどですね。(私はGoogle Slideを愛用しています)
生成AIでのスライド作成において大切なのは、「AIはせいぜい6割くらいのものしか作れない」というスタンスです。この2年ほどで爆発的な進化を遂げたとはいえ、生成AIが完璧なスライドを一瞬で作り上げてくれるという世界はまだ来ていません。
したがって「ラフバージョンをAIに作ってもらい、そこからは自分で手直しする」という気構えが不可欠。
これがないと「AIじゃ資料は作れないな」とがっかりしてしまう可能性があります。
資料作成に特化したAIもあるけれど……
もちろん、世の中には「スライド作成が得意な」AIも多数登場してきてはいます。GensparkやGamma、Manusなどは非常にクオリティの高いスライドを生成してくれます。
ただ、クオリティが高い=自社のトンマナに合った資料、では必ずしもありません。普段使っている資料とあまりに雰囲気が違うものを、現場でそのまま使うのは難しいでしょう。
また、企業としてAIを使っていく場合、やはり情報セキュリティは無視できません。お客様向けの提案資料のような、機密情報を多分に含む資料を作る際には、相応に信頼の置けるツールを使うべきです。
GoogleのGeminiやMicrosoftのCopilotなどは、その点、相対的に安心だと思います。
おすすめはGeminiの「Canvas」活用
これだけ生成AIが乱立していると、AIを使ったスライド作成のバリエーションも多様です。
絶対の正解はないという前提で、一例を紹介させていただきます。
私のやり方なのですが、GoogleのGeminiを使います。
まず、先ほどの構成案をGemini PROに入れます。そして「以下の構成案をもとに、16:9の形式でスライドを作って。」とプロンプトを打ち、「Canvas」を選択します。
CanvasはGeminiのサブ機能の1つで、テキスト情報をhtmlでビジュアル化してくれる機能です。
今回は、以下のようなアウトプットを作ってくれました。(ページ抜粋。あくまでサンプルです)



なかなか、悪くない出来ですね。
仕上げは外部ワーカーに依頼するのも有効
あとはこれを、そのままキャプチャを撮ってGoogle Slideやパワポに貼り付けてもいいですし、これを見本として、自分でイチから作ってもいい。
あるいは、このキャプチャをサンプルとして、外部ワーカーに作成を外注するのもアリです。クラウドワークスやランサーズでワーカーさを探して、サンプルPDFを渡して、この通りに作ってもらう。
急いできちんとしたクオリティの資料を作りたい場合には、外部のプロに作業を頼むのは賢明だと思います。生成AIで作った見本があるのでほぼ期待通りの成果物が納品されるわけですから、余計な修正依頼などの手間もかかりません。
Google App Scriptの活用も今後は期待
今回ご紹介した方法以外にも、Google App ScriptのコードをClaudeに書かせて、Google Slideを一瞬で作ってしまうといったやり方もあります。
ただ、コードにエラーが出てしまったり、出来上がったスライドの品質がイマイチだったりというケースも少なくないので、今回はおすすめとしては書きませんでした。(コード生成はGeminiよりClaudeが優れていると思いますが、それでもエラーは出ます)
今後のAIの進化によってこのあたりも改善されてくるとは見ていますが、現時点では「GeminiのCanvas機能」でラフバージョンを作り、それをもとに仕上げをする。この方法が良いと思います。
生成AIでの資料作成に興味がある方は、ぜひ一度試してみてください。
本日は以上になります。
株式会社FooLaiBo
三浦 隼
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