経営の基本はリスク分散
経営は「リスク分散」が基本
時々「経営は一点集中!局地戦で勝って突き抜けるべし」といった主張を見かけます。
リソースの乏しい中小企業の戦略の教科書ともいえる『ランチェスター戦略』においても、リソースの一点投下は推奨されており、そうした影響もあるのかもしれません。
一方で、あまり「一点集中」を字面どおり追求しすぎると、経営としては安定性を欠いてしまう危険があります。
経営は「生き延びること」が全ての礎ですから、基本的にはリスク分散が戦略の根幹にあるべきです。
集客・営業戦略についても一点集中はリスキー
SNSでこんな趣旨の投稿を目にしました。
「集客施策を比較してみたら、紹介チャネルと展示会チャネルでは、紹介のほうが受注率が格段に良かった。したがって展示会チャネルは非効率なのですぐに切るべきだ」
気持ちとしてはよく分かります。
受注率が低い集客チャネルは経営者にとってはムダとも感じられますし、とくに展示会などは1回の出展で数百万円かかるケースもあるので、そこから受注が生まれなければまさに金食い虫状態。
ただ、だからといって「ムダだから切ろう」とすぐ決めてしまうのは危険です。
他に集客経路(例えばWebサイトからのオーガニックの問い合わせや、セミナー、Web広告など)があれば別ですが、仮に紹介と展示会が主要チャネルの場合、展示会を切ってしまったら紹介だけになってしまう。
紹介案件は確かに受注率も高いし、営業費用も低いので、1件あたりの受注コストは極めて少ない優秀なチャネルです。
一方で、紹介はあくまで紹介者ありきですから、自社でタイミングや量、質のコントロールを効かせにくい。場合によっては数ヶ月紹介が来ないということもありうる。
これに対して展示会は、費用はかかりますが、1度の出展で数百〜千枚以上の名刺獲得も期待できます。そこからの名刺情報の整理、追客、ナーチャリング(情報提供)のオペレーションコストもまた発生しますが、一定ボリュームのリストが獲得でき、そこからまた一定の商談化、受注を見込むことが可能なチャネルです。
つまり、それぞれメリット・デメリットはあれど、紹介と展示会はいずれも有用な集客チャネルといえます。
それを、受注率の比較だけで○×評価をし、低い方を切ってしまうのは非常に早計。これでは「一点集中」の誤用になってしまいます。
目先の成果やコスト効率だけを基に評価してしまうと、こうした罠に陥りがちです。
一点集中、局所集中はもちろん中小企業の戦略として正しい側面もありますが、用いるシーンを間違えると経営の可能性をかえって狭めてしまう危険があるということ。
「リスク分散」の視点を、常に忘れずにいたいですね。
本日は以上になります。
株式会社FooLaiBo
三浦 隼
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