中小企業もバラ撒き型のフォーム営業をやるべきか?
Webサイトの問い合わせフォームに毎日届く営業メール
Webサイトを持っていると、毎日のように、問い合わせフォームから「営業メール」が届きます。
フォーム営業とも呼ばれ、コロナ禍を契機にすっかり普及した営業手法です。
コロナ禍では、従来のようにお客さんのところへ訪問することが難しくなってしまったのと、また当初はZoomのようなオンライン商談がIT業界以外では普及していなかったので、
「コロナ期間に最適な営業手法」として、問い合わせフォームに営業文面を送るという方法が一定の人気を博しました。
フォーム営業は、基本的にバラまきです。
反応率(文面を送った相手から何らかのリアクションがある率)は、0.1%前後とよく言われます。以前にいくつかの業者さんと会話した時には、0.15%くらいが平均値でした。
つまり、1,000件送って、1〜2件。
仮に2件のアポが取れたとして、商談2件では受注に至るのは難しいですから、送る総数をもっと増やそうとなるわけです。
したがって、10,000件、あるいは100,000件送って、そこから0.1%の反応を狙おうという方針になりがちです。
文面作成と送信作業は、AIや外部業者さんがやってくれますから、送信する営業サイドとしては、楽といえば楽。
ただ、中小企業においては、個人的にはあまりおすすめしません。
大量に文面をバラまくタイプの営業は、後発企業がゼロから新規顧客を生み出すための施策としては、ある程度の合理性があります。
まだ顧客基盤がなく、販路もなく、知名度もない。製品は作ったが、誰に(どの市場に)刺さるかまだ判然としない。そんなスタートアップ企業であれば、一気に大量の見込客に営業文面を送るのは合理的といえます。
一方で、中小企業。
中小企業は、基本的に何らかの顧客基盤がすでにある。自分たちの売り物である確たる製品やサービスが、規模の大小はあれど存在します。
その場合、新たにお客さんを開拓しようと思ったら、10,000件の営業文面をバラまくのは無駄が多い。
それよりも、すでに関係を構築できているお客さんに対して、新製品を紹介したり、あるいは新しいお客さんを紹介していただく。
そうやって、今ある資産を軸に、丁寧に広げていくほうが効率が良い。
また、効率だけでなく、ブランド(信用)という観点からもそう。
似たような営業文面を繰り返し同じ相手に送っていると、相手もさすがに社名を覚えます。
私の会社のサイトにも頻繁に同じ会社から文面が届きますが、いずれも大体記憶してしまっています。
そうした会社には、当然、あまり良いイメージは持てません。仮に今後どこかでその会社の人とお会いすることがあっても、染みついたネガティブなイメージはなかなか払拭できないと思います。
中小企業の社長さんは、当然ですが、自身の会社の信用を非常に大切にする方が多いです。
商売ですから信用が大事というのももちろんありますが、親や祖父母の代から続く家業の看板に泥を塗りたくないという想いがあるのだと思います。
それは社長さんの美学なんですね。
その美学に照らした時、不特定多数へのバラ撒き型営業という手法はどうなのか?
自信を持って、やりたい、と言える社長さんは多くないと思います。
であれば、より丁寧に、既存の顧客基盤を軸に、一歩ずつ横に広げていく形の営業に徹する。
これが、中小企業に合った営業方針なのではないか、と考えています。
本日は以上になります。
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