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中小企業は「網羅性の罠」にご注意

更新日時:2026.04.19
カテゴリー:Blog

MECEという罠

MECE(ミーシー)という言葉があります。

「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の略で、いわゆる「モレなく、ダブリなく」と呼ばれるやつです。

物事を重複なく、漏れなく、ロジカルに整理して、全体を俯瞰する。網羅性の象徴のような考え方といえます。

世界的なコンサルティング会社であるマッキンゼー社の発祥とされ、コンサルタントが愛用する枠組みです。

このMECEで物事を分類すると、確かにスッキリするし、資料に落とした時は「いい仕事をした」気分になります。

勉強熱心な経営者さんは大体ご存知で、かつ重視している印象です。

ただ……

規模の小さい中小企業がこのMECEに囚われすぎると、本来の中小企業の強みであるスピード感が失われます。

網羅性を追求するあまり、動きの遅い大企業のようになってしまうんですね。

MECEには2つのデメリットがあります。

①ある物事を網羅的に整理しようとすると時間がかかる

②網羅的に全体を俯瞰することで選択肢が見えすぎて、何から実行するかの決断が遅くなる

「網羅的な計画書」を作るよう部下に指示したところ、一向に完成せず時間だけが過ぎていった…という経験をしたことのある社長さんも少なくないと思います。

物事をきっちり整理しようとするとそれだけ時間がかかるわけです。

また、なんとか苦労してMECEに整理できたとしても、それだけ全体を見渡せてしまうと、何からやるかの選択肢(オプション)もその分たくさん見えてしまう。

そうなると、どこからやろうか、何に集中しようか……という意思決定を下すのが難しくなります。

結果、施策の決定と実行が遅れてしまうんですね。

ベンチャー企業などは、このあたりの網羅的な分析に時間をかけず、経営者のいい意味での「思い込み」で突っ走ったりする。視野が狭くなることで、結果的に一点集中の突破力とスピードが生まれるともいえます。

我々中小企業も、この姿勢を取り入れるべきです。

資金力をはじめとするリソース量では逆立ちしても大企業には勝てない。だから、スピードと一点突破の力で勝負する。

それが中小企業の戦い方、いわゆるランチェスター戦略です。

生成AIの登場でMECEな分析もだいぶラクにはなりましたが、それでも、「余計な選択肢」が見えてしまうことで意思決定に迷いが生じる弊害は残ります。

中小企業は網羅性の罠に囚われず、スピード勝負の局地戦でいきましょう。


本日は以上になります。

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