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AIを使わない業務効率化:まず整えるのはファイルと台帳

更新日時:2026.09.18
カテゴリー:Blog

生成AIのセミナーで登壇していると、こういう質問をよくいただきます。

「業務効率化を進めたいのですが、AIはどこから入れればいいですか」

実はこれ、お答えしにくい質問なんです。

というのも、お話を伺っていくと、AIを入れる前にやることがまだ残っているケースが多いからです。

業務改善は、AIありきで進めるものではない

当たり前のことですが、業務改善の目的は「AIを導入すること」ではないです。

いまうまく回っていない仕事を、回るようにすること。それだけなんですね。

ところが最近は、順番が逆になっている場面をよく見ます。

AIを入れることが先に決まっていて、そのあとで「どの業務に使おうか」を探している。

これだと、たいてい定着しません。

もともと困っていなかった業務にAIを入れても、誰も使わないから。

先に見るべきは、どこで詰まってるかです。

・同じ情報を何度も転記している
・誰かに聞かないと最新版が分からない
・ファイルがあちこちに散らばっている
・担当者が休むと止まる

こういう詰まりは、どの会社にもあります。

そして実際のところ、その多くはAIがなくても解消できます。

ExcelやGoogleスプレッドシートで、けっこう片づく

たとえばファイルの置き場所を決める。命名のルールを揃える。台帳を1つのシートに集約して、一箇所を見れば分かる状態にする。入力はフォームからにしてシートを直接触らせない。

これだけでも、かなりのことが片づきます。

お使いの環境がMicrosoft 365なら、SharePointやOneDriveにファイルをまとめて、入力はMicrosoft Formsから。

Google Workspaceなら、Googleドライブとスプレッドシート、入力はGoogleフォームから。

やることは同じです。

もう少し踏み込むなら、自動化する手もあります。定型の通知を飛ばす、決まった形式のシートを自動生成する、月次でデータをまとめる。ExcelならPower AutomateやVBA、GoogleならApps Scriptですね。

このあたりは、AIを使わなくてもできることです。

実際、私が支援しているある公益財団法人さんでは、結果としてAIを一度も使わないまま業務改善を進めています。

また、同じく支援中の製造卸の会社さんは、AIも活用していますが、Google Drive×スプレッドシート×AppsScriptだけでもかなりの効率化ができています。

どちらのケースでも、必要だったのは長年の属人化を解きほぐすことと、関係する方々の合意をつくること。

技術の問題ではなかったんですね。

もちろん、AIを使ったほうが早い場面もたくさんあります。

ただ、「AIでないとできないこと」と「AIがなくてもできること」を分けておくと、手をつける順番が変わってきます。

本題は、浮いた時間を何に使うか

ところで。

効率化は、それ自体が目的ではありませんよね。

空いた時間を何に使うかが決まっていないと、効率化した分だけ別の作業が入ってきて、結局何も変わらなかった、ということになります。

私が最近お伝えしているのは、

浮いた時間を、極端に人間臭い活動に投じましょう

ということ。

たとえば、お客さんのところに足を運ぶ。電話やメールで済むところを、あえて顔を出す。用事がなくても顔を出す。

効率という観点では最悪です。

でも、だからこそ競合はやらないんですね。

お一人お一人のお客様に、じっくり手をかけて接する。定型文で返せるところに一言添える。相手の状況を覚えておいて、次に会ったときにそのことに触れる。

これも効率は悪い。

悪いから、差がつきます。そんなことに時間をかける会社はほぼ無いので。

あるいは、未来のために準備する。顧客データベースを整える。過去の商談記録を残す。

すぐには成果になりませんが、需要が落ち着いたときに効いてきます。好調なうちにしか仕込めない仕事ですね。

効率化と、人間臭さの両立

私自身、AIはかなり使い倒しているほうだと思います。

資料のたたき台も、議事録の整理も、調べ物も、ほとんどAIに投げています。

一方で、営業のやり方はかなり古典的です。

商工会議所に飛び込みで行く。登壇したあとは、お礼にお伺いする。手土産を持っていく。ご担当者が異動したら、異動先に挨拶に行く。

このあたりは、いっさい効率化していません。

矛盾しているようですが、私はこの組み合わせが、これからの時代にはむしろ合理的だと考えています。

AIで誰でも同じことができるようになるほど、差がつくのは人間にしかできない部分です。

そして人間にしかできない部分というのは、たいてい効率が悪い。手間がかかって、時間がかかって、数字にもすぐ表れない。

だからこそ、そこに時間を割ける状態をつくる。その手段として、AIや効率化がある。

順番としては、こうだと思っています。

AIで効率を上げて、浮いた時間で泥くさく動く。

そんな会社が、これからは強いのではないでしょうか。

本日は以上になります。

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